防草シートの素材の違い

防草シートについて調べると必ず出てくる表現「不織布」と「織布」。 この二つは一体何が違うのかその特性についてご説明致します。
不織布とは
不織布とは、読んで字のごとく織っていない布を指します。海苔や和紙のように繊維を織らずに絡み合わせた物が不織布防草シートです。防草シートTOPシェアの防草シート、ザバーンも不織布タイプに含まれます。
長所
  • ・どの方向から引っ張られても強度が均一
  • ・厚みを簡単に変更できる
  • ・剥き出しで使用しても経年劣化による隙間が出来づらい
  • ・チガヤやスギナなどの強害雑草を抑える(薄手のシートは除く)
  • ・基本的に効果重視
短所
  • ・織っていないためひっぱり強度が低い
  • ・何といっても値段が高い

織布とは
織布タイプは繊維をひとつひとつ織った物で、ホームセンターなどでよく見かける防草シートはこのタイプです。
長所
  • ・線維を織り込んでいるため、ひっぱり強度が強い
  • ・基本的に安価、価格重視
  • ・広い場所にさっと敷く場合にコストパフォーマンスに優れる
短所
  • ・一度ほつれると穴が広がりやすい
  • ・突き抜け性の高いチガヤ、スギナなどは防げない。(シートの隙間から芽を出す)

不織布と織布のどちらを選ぶか

雑草をしっかり抑えたい方、耐久性や効果重視で選ぶ場合は不織布タイプの防草シート、なるべくコストを抑えて安価でシートを敷きたい方、農地などの広い場所に敷く方の場合は織布タイプの防草シートがオススメです。
防草シート比較の条件
  • 当店で取り扱っている防草シートの範囲内での比較です。
  • 実際の使用環境により結果は異なります。
  • 当店では、低品質の防草シートは取り扱っておりませんが選ぶ際の目安とすべく場面ごとでの優劣を付けております。
  • 分かり易くするために大きく3つのタイプに分けております。
不織布
高密度タイプ
  • ・エコナル防草シート
  • ・プランテックス(旧ザバーン)
  • ・チガヤ用防草シート
不織布
短繊維タイプ
  • ・ヨンアツ
  • ・ブッシュシールド(住友林業緑化)
織布タイプ
  • ・大面積用
  • ・安価版

防草シート3タイプ分類
突き抜け性のある雑草の防草効果の比較
スギナやチガヤなどの葉先の尖っている雑草の突き抜けに強いかどうかの比較です。

むきだしでの防草効果と比較

雑草の生える空き地に防草シートを貼り、その効果を検証します。左の写真が不織布タイプの防草シート「エコナル」(グリーン)、 右の写真がホームセンターで購入した安価な織布シートです。
施工から3年後、エコナル防草シートはしっかりと雑草を防いでいますが、 安い防草シートは生地の隙間から雑草が突き抜けているのがわかります。
実はこれが防草シートを敷いた場合によくある失敗です。長期間雑草を抑えたい、効果を持続させたい場合は、耐久性のあるキチンとした防草シートを選ばなければいけません。

砂利下での防草効果と比較

砂利下に防草シートを敷くことで、砂利が紫外線を遮りシートの劣化を防ぐうえに シートが砂利の埋没を防ぐため非常に相性が良いとされています。今回は実験のため砂利の流失を防ぐ見切り材(黒い縁)を使用しました。左が不織布タイプの防草シート「エコナル」(ブラウン)、 右がホームセンターで購入した安価な織布シートです。

紫外線への耐久を比較

むき出しの状態で使用した場合で長く使用できる順での比較です。
  • ※メーカー試験、製品スペック、施工後の情報収集などを基に総合的な見地からの比較となります。使用環境に変わります。

施工から7か月後、エコナル防草シートはキチンと雑草を防いでいますが 安価なシートでは雑草が突き抜けています。上に砂利を敷くことで、より強力に太陽光をカットできると言われていますが安価なシートでは雑草が生えてきてしまいました。つまり、砂利下でも品質のしっかりしたシートを選ばなければいけません。

せっかく質の良い防草シートを用意しても敷き方が悪いと雑草が生えてきたり、風でまかれたりして、シートが傷み結果的に耐用年数を縮めてしまうことに繋がります。
数多くの防草シートが販売されていますが、砂利下で使用するのに紫外線に対候性の高い高価なシートは選ぶ必要がないなど使う場所に合わせた質の防草シートを選ことが大切です。

透水性の速度を比較

どのタイプもシート自体はしっかりと透水しますが、透水のし易さで比較しています。
  • ※メーカー試験、製品スペック、施工後の情報収集などを基に総合的な見地からの比較となります。使用環境に変わります。

透水性のある防草シート
一般的に販売されている防草シートの多くはこの透水性のあるタイプで、シートは繊維が織込まれている織布と、縦横無尽に繊維が重なっている不織布のものがありますが、僅かな隙間があるため空気、水を透します。
水を透さないタイプの防草シートと比べ、シート自体のコストが抑えられます。また、水を透すのでシートを敷く場所に水勾配がなくとも徐々に水が地面に浸み込んでいくので水たまりができないことがメリットです。

透水性のない(不透水)防草シート
不透水の防草シートは市場に出回っている種類は圧倒的に少なく、水を透すタイプのシートに比べコストも高価です。
不透水の防草シートは、雨水によって土が流されたり崩れたりするのを抑えるため、道路脇の路面などに多く使用されています。それは、雑草が無くなった場所は水が流れると土も一緒に流れてしまい、水の通り道だけシートの下で土が無くなってしまう事もありえるからです。

もともと水はけの悪い場所には注意

水を透すタイプの防草シートも、水はけの悪い場所へ敷いてしまうと水は浸透していかず、水たまりになります。予めシートを敷く前の雨水の流れを確認することで、シートの選定、施工方法が絞られ、上手く設置できます。

  • 実際の防草シートが透水する様子