ミニトマトの主な害虫

栽培中にはさまざまな害虫がミニトマトを狙ってきます。高品質なミニトマトを収穫する為にも主な害虫を知り、対策をしていきましょう。
害虫の種類
オオタバコガ
形態 成虫は体長約20mm、全体が黄褐色で黒褐色の線や斑紋がある。タバコガに似ている。幼虫は、体長35〜40mm。
生態と被害 発生回数は、年3〜5回。越冬は蛹で土中。成虫は5〜6月に羽化し、8月頃から多発生。幼虫期間は、15〜30日。蛹期間は、15〜20日。幼虫は、作物の組織中に潜り、幼果を食害し、後に果実に移動し内部を食いつくす。被害果は穴があき、腐敗、落果する。
コナジラミ類
形態 成虫は体長約1mm、ロウ物質に覆われ白色。卵は、0.2〜0.5mm。蛹は、0.8〜1mm。
生態と被害 施設内では周年発生し、室温20〜24度が生育に好適。年間の発生回数は10回以上。被害は、幼虫が葉を吸汁する直接被害もあるが、ウイルス病の媒介や高密度で寄生した時の排泄物に発生するすす病が大きな問題となる。寄生によってトマトの果実に放射状に未着色部分を生じる着色異常が発生することがある。
マメハモグリバエ
形態 成虫は体長約2mm、全体的に黄色と黒。複眼は赤紫色。卵は、0.2mm。幼虫は、黄色のウジで体長約3mm。蛹は、2mm。
生態と被害 施設内では周年発生し、年間の発生回数は10回以上。1世代に要する日数は、室温20度で25日、25度で17日、30度で13日。被害は、幼虫が葉の中に潜り、葉肉組織を食害する。その跡が、白い線となって残る為に葉や果実の表面の外観を損ね商品価値を低下させる。薬剤感受性が低く、難防除害虫。
ハダニ類
形態 ナミハダニ(体色は橙色)、カンザワハダニ(体色は赤)など。体長約0.5〜0.6mm程度。
生態と被害 ナミハダニは、年発生回数9〜12回。早春から活動を始め8月に多発生。カンザワハダニは、年発生回数10回前後。
どちらのハダニも若葉や新芽で産卵し増殖する。汁を吸われることで葉色が悪くなり、やがて枯死する。奇形果や奇形葉の原因ともなる。
アブラムシ類
形態 ワタアブラムシ(体色は黄色〜黒、体長は1mm前後)、モモアカアブラムシ(体色は淡緑〜淡黄と淡赤、体長は1.5〜2mm)がいる。
生態と被害 ワタアブラムシは、施設内で周年発生、ピークは6〜8月。モモアカアブラムシは、4月上旬〜5月下旬、9月中旬〜11月上旬がピーク。
どちらも移住型のアブラムシ。直接の吸汁加害とスス病の併発、各ウイルス病の媒介の被害がある。
ハンモスヨトウ
形態 成虫は体長15〜20mm。卵は0.5mm程度。幼虫は、成長すると35〜45mm。蛹は、体長20mm。
生態と被害 発生回数は年5〜6回。越冬は蛹で土中で行う。施設内では、周年発生。卵期間2〜3日、幼虫期間約1ヶ月。
秋期多発生で、被害は8〜10月。若齢幼虫時は、葉裏で群生し、葉肉を食害するが、中齢以降は分散し食害を続ける。葉が大量に食害される為に作物の生育が悪くなる。老齢幼虫での被害が全体の90%を占める。
アザミウマ類
形態 ミカンキイロアザミウマ(成虫の体長は1.3mm程度)、ヒラズハナアザミウマ(成虫の体長は1.2〜1.8mm)がある。
生態と被害 施設内では周年発生。被害は、吸汁による花弁、新葉の退色、萎縮、奇形など。ミカンキイロアザミウマによる、トマト黄化えそ症の媒介が問題となる。トマト黄化えそ症は、トマトの葉、茎、葉柄にえそ斑を生じて、黄化・枯死する。果実には、褐色えそ斑を生じ、奇形果となる。